きゅうせい-きがく【九星気学】

九星気学の歴史

九星気学は、一説には世界で最も歴史の古い占いと言われています。その発祥について正確な文献はなく、古来中国で発祥したという説もありますし、実は昔の日本で生み出された占いの一種であるという説も存在しています。日本で九星気学の進展に寄与したのは、園田真次郎という人物です。彼はそれまでに存在していた占断、九星術や陰陽五行説、干支学などを組み合わせて、より活用しやすいようにアレンジした占断を生み出しました。それが今の九星気学というわけです。さらに、九星気学は江戸幕府を開いたことで知られる将軍、徳川家康によって広く世間に知られるようになったとも言われています。

九星気学の占い方

九星気学は、運勢を読み取ったり未来を予知したりする占いとは違い、一種の哲学として考えられています。自然科学や天文学などを一体にした統計学で、そこから開運する方法を導き出す占術と考えられています。九星気学では、占いたい人がどの星(九星)になるのかを生年月日からまずは調べて、そこから吉凶を判断したり、開運に導く方法を見付けたりしていくようになっています。

九星気学においては、次のような星(本命星)があり、それぞれの星の特徴や傾向は以下の通りです。

一白水星(いっぱくすいせい)

「水」の特性を持っている人で、水のように様々な形に姿を変えられる性質を持っています。人生において変化は多いようですが、忍耐力や精神力は非常に強い傾向があります。

二黒土星(じこくどせい)

「大地」の特性を持っている人で、母性的な優しさがあります。人と人とを結ぶ仲介的な役割を担うことが多く、人から好まれやすいタイプです。

三碧木星(さんぺきもくせい)

「雷」の特性を持っている人で、強いエネルギーと激しさ、活発さを持っています。フットワークが軽く、怖いものなしで立ち向かっていく勇敢なタイプです。

四緑木星(しりょくもくせい)

「風」の特性を持っている人で、風のようにわずかな隙間でも潜り抜けていけるような柔軟性に優れたタイプです。人に合せるのが上手で、楽観的な性質も持ち合わせています。

五黄土星(ごおうどせい)

「地震」の特性を持っている人で、強い力、破壊力を持っています。プライドが高く、とても負けず嫌いなタイプですが、人の上に立つ能力も備わっている人です。

六白水星(ろっぱくすいせい)

「宇宙」の特性を持っている人で、強い正義感と高い理想を抱いているタイプです。頭の回転が速く、真面目で努力家な人が多い傾向があります。

七赤金星(しちせききんせい)

「湖」の特性を持っている人で、人と関わるのが上手な愛嬌のあるタイプです。喜怒哀楽が激しいところがありますが、周りから信頼されやすい人です。

八白土星(はっぱくどせい)

「山」の特性を持っている人で、山の天候のように、感情がコロコロと変わる傾向があります。八方美人な性質がありますが、ミステリアスな部分も持ち合わせているタイプです。

九紫火星(きゅうしかせい)

「火」の特性を持っている人で、情熱的で活発、華やかなタイプです。周りを明るい雰囲気にさせることができますが、楽しいことに目がないため、ギャンブルなどにはまりやすい傾向があります。


以下がそれぞれの星の生まれ年の一覧表です。

九紫火星八白土星七赤金星六白金星五黄土星四緑木星三碧木星二黒土星一白水星
大正8大正9大正10大正11大正12大正13大正14昭和元昭和2
昭和3昭和4昭和5昭和6昭和7昭和8昭和9昭和10昭和11
昭和12昭和13昭和14昭和15昭和16昭和17昭和18昭和19昭和20
昭和21昭和22昭和23昭和24昭和25昭和26昭和27昭和28昭和29
昭和30昭和31昭和32昭和33昭和34昭和35昭和36昭和37昭和38
昭和39昭和40昭和41昭和42昭和43昭和44昭和45昭和46昭和47
昭和48昭和49昭和50昭和51昭和52昭和53昭和54昭和55昭和56
昭和57昭和58昭和59昭和60昭和61昭和62昭和63平成元平成2
平成3平成4平成5平成6平成7平成8平成9平成10平成11
平成12平成13平成14平成15平成16平成17平成18平成19平成20
平成21平成22平成23平成24平成25平成26平成27平成28平成29

生年月日によってわかった星と干支、生まれた時間を組み合わせることで、その人の運勢がわかるという占術が九星気学の特徴です。

また、九星気学で特に重要なのが「方位」です。九星と方位は次のように関係しています。

  • 一白水星‥‥方位:北
  • 二黒土星‥‥方位:西南
  • 三碧木星‥‥方位:東
  • 四緑木星‥‥方位:東南
  • 五黄土星‥‥方位:中央
  • 六白金星‥‥方位:西北
  • 七赤金星‥‥方位:西
  • 八白土星‥‥方位:東北
  • 九紫火星‥‥方位:南

それぞれの星の性質と方位を照らし合わせることで、その人の本質や吉凶などを判断することができます。そして方位は大きく「吉方位」と「凶方位」に分けられますが、それぞれの方位によってもいくつかに分類することができます。例えば、凶方位の場合だと「五黄殺(ごおうさつ)・暗剣殺(あんけんさつ)・歳破(さいは)・本命殺(ほんめいさつ)・本命的殺(ほんめいてきさつ)」というように五つの種類があります。

どの星に分類されるかを確認し、干支や方位などを組み合わせて哲学的に判断することによって、どの方位に向かえば開運できるか、どの星の人との相性が良いか、引越しをするならいつ、どのタイミングでどちらの方向にある物件を選べばよいかなどを具体的に鑑定してもらえるのが、現代の日常生活の中において、九星気学が用いられる場面となっています。