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恋の相談は最もポピュラーな鑑定内容のひとつです。「彼の気持ちを教えて欲しい」「好きな人との相性を知りたい」「ふたりの未来を予知して欲しい」という理由で占いを利用する方は非常に多いと言えます。そんな時に立ち塞がるネックのひとつが出生時間かも知れません。これを必要とする占いとして代表的なものが西洋占星術と四柱推命。両方ともポピュラーな占術で、詳細な結果を出すことも可能である一方、多くの場合、データとして出生時間を必要とします。自分のデータを知る場合は母子手帳を見れば一目瞭然ですが、問題は相手。片想いしている人に「出生時間を教えてちょうだい」とお願いするのはなかなか難易度が高いのではないでしょうか。
西洋占星術では、出生時間のデータを用いて「アセンダント星座」というものを導き出します。これはその人が生まれた瞬間に東の空に輝いていた星座です。「上昇宮」とも呼ばれ、また「ASC」と略されることもあります。西洋占星術による鑑定はまずホロスコープを作成し、それを用いて行いますが、このホロスコープ作成に際して起点となるのがアセンダント星座です。ですので、出生時間が分からないと正確なアセンダント星座を導き出すことが出来ません。その場合、術者は仮の出生時間を設け、そこから仮のアセンダント星座を導き、それを起点に仮のホロスコープを作成することとなります。この仮のホロスコープから情報を知るためには、ある程度の慣れと経験が必要になってくるでしょう。
四柱推命では、生年・生月・生日・生時の4つの柱を用いて鑑定を行います。この「生時」が出生時間となります。四柱推命はまずこの4つの柱から複雑な計算を行い、命式という表を作成します。この命式が鑑定の基本となります。ですから、出生時間が分からない場合、4つの柱のうちの1つが欠けることになり、命式を作成できません。それゆえ鑑定も不可能となります。ただし、出生時間が分からない人でも鑑定可能な方法も開発されています。本場中国の四柱推命は必ず出生時間を必要としますが、それを元に江戸時代の日本でオリジナルアレンジされた日本式四柱推命では出生時間を必要とせず、三柱で鑑定可能です。この日本式四柱推命は専門家の間で賛否が分かれますが、そもそも我々は日本人。日本の占者によって編み出された方法も十分に頼りになると言えるでしょう。
タイトルの「出生時間が分からなくても平気?」という問題ですが、この問題の答えは「占い師の経験次第」であると言えます。プロの占い師であれば出生時間のデータがないままでも問題なく占えるはずです。不揃いなデータの鑑定はプロなら日常茶飯事。当然データがあるに越したことはありませんが、実際に他人の出生時間まで知っている人はそう多くはありませんから、経験豊富な方ならそういった状態でも経験と知識を用いて問題なく占ってくれるでしょう。経験と知識をたよりにして出来る限り正確な鑑定を行ってくれるはずです。