No. 6 必ずしも出来る占術は多い方が良い、とも言えない

タロットカード、四柱推命、九星気学、占星術、手相etc……、ひと口に占いと言いましても、実際に用いられる占断(占術)は数多くあります。タロットカードにしても、そこから派生したエンジェルカード、オラクルカード、禅タロットのように様々あります。では占い師として第一線で活動するために、それらの占断の複数を知識として覚えておいた方が良いのでしょうか。

答えはYESでありNOでもあります。対面であれ電話であれ、依頼者の多くはあらかじめ「この占術で占ってもらいたい」というふうに決めているケースが多いので、仮に一種類しか占断を修得していなくても問題はないでしょう。もちろん、複数の占断を実用レベルで修得していることがマイナスに働くこともありません。たとえばタロットカードで占った上で、手相でも将来のことを見て欲しいと依頼するお客さんも珍しいものではありません。ですから複数の占断が可能ならば、プラスに働くことは間違いありません。実際に占いの館に在籍している占い師や個人活動の占い師など、現役で活動している占い師のプロフィールを見てもわかりますが、占断が一種類の場合も複数の場合も同じくらいの割合でいます。ひとつの占断をそれこそ究極まで極めることを目標としていたり、上記のように依頼するお客さんの様々なケースを想定して複数の占断を学んだり、それは占い師個人が選択した結果です。ですから初めて占いを依頼しようとしている方は、どんな占断で占えるかをチェックするのはありですが、いくつ占断を修得しているのかはあまり重きを置くポイントではないことを知っておきましょう。

以前に当コラムコーナー内で紹介した、現役占い師のアリエス先生について紹介しておきましょう。アリエス先生のことを“タロット占い師”として紹介しましたが、先生はタロット占い以外の占断も使用することができます。実務レベルでの修得度合いを言えば、手相と人相、そして四柱推命でも占いの依頼を受けることは可能とのことで、以前は実際に占いっていたと言います。ではなぜ今はタロット占い一本に絞ったのでしょうか。聞いてみたところ「タロットカードでの占いが、自分に最も合っているように感じているから」というのが最たる理由だそうです。長い歴史の統計学上に成り立っているとは言え、占いというものは単にカードを並べてひっくり返せば良いだけ、生年月日を入力して表示された結果を読み上げれば良いだけ、手のシワの長さを見れば良いだけ、そんなものではありません。書籍に載っていることをお客さんに伝えるだけではなく、“どう読み解くか”が占い師の力量にかかってくるものなのです。一流の料理人が、包丁にこだわるのと同じことです。もちろん、そのこだわりの包丁が素材によって何本かを使い分ける人もいれば、一本で対応する人もいます。どちらのケースが自分に合っているのか、結局はそこですね。