No. 19 占い師も勧めるスピリチュアルな映画

占い師という仕事は、鑑定依頼にいらした方の未来や今、ときには過去も見て、希望ある方へと導く仕事だと自覚を持っている先生が多くいらっしゃいます。また、霊能力や霊感がある場合は、亡くなった方やご先祖様に関する情報も発信することもあります。依頼者の方の個人的な思いを受ける仕事なので、常に学びの姿勢で、占いに関する情報、技術、感性、そして霊能力も失わないように心掛け、責任を持って鑑定していると言われています。もちろん、そんな占い師たちにも、リラックスするためのOFFの時間は必要なもの。特に学びとなり、かつ癒しとなるのが映画鑑賞だとの声を多く聞きます。占い師としてはスピリチュアルな映画作品に惹かれるそうで、映画を見ることにより、気付くこともあるし、アイデアを頂戴することもあるし、何より感動するとか。そこで、オススメのスピリチュアルな映画を、見どころも加えて紹介しましょう。(注意:ちょっとネタバレあり)

『シックスセンス』

霊が見える少年と精神科医の交流を描いた有名なサスペンス映画です。かつて患者を救えなかった精神科医は、霊能力に悩む少年に寄り添い、彼の相談役になってあげるのですが、最後に驚くべき真相が明かされるドンデン返しには驚かされる人が続出しました。

スピリチュアル的には、この映画で描かれる“霊が見える少年”の描写は、あながち嘘ではありません。子供は霊能力者顔負けの、霊を感知する力を持っている場合があるからです。俗にまみれる前、100%クリアな子供の心が霊を受け入れるのです。ただ映画の少年は「死んだ人が見える」と語っており、自分が見ている人は霊だと気付いています。普通、子供は霊が見えても、それが霊だと気付かないパターンが多いです。「あそこに知らない人がいる」と天井を指さしたりする場合など、霊だと思っていないからこそ、口から出てしまうのですね。しかし、この映画の少年は霊が見えている。それはこの少年が霊能力を自覚した強い霊媒師だからです。

彼はまだ子供なので強い霊能力をもてあまし、悩みますが、やがて彼は自身の霊能力で、少女の霊や母親を長年の悩みから救います。そして自分の霊能力は人の役に立つことができることを知るのです。このシーンは霊能力者にとって、とてもうれしいシーンと言えましょう。

『奇蹟の輝き』

夫に先立たれ、傷心の妻は後追い自殺をしてしまい地獄へ。天国へ行った夫は愛妻を救うために地獄へ向かうという、全編、現世ではなく霊界を舞台にした映画です。

天国の映像が清らかで美しく、これまで見てきた雲の上の天国というイメージを一新しているところに目を奪われました。あの世でかつての恩師と再会するシーンも「こんなことがあったら」と嬉しくなりましたし、地獄に落とされた妻を助けに行く主人公の愛を貫く姿にも心打たれました。こういう人だからこそ、彼は天国へと召されたのでしょう。

でも妻も心が美しい人だったのです。自ら命を絶ったのは、我が子を失い、夫も続けて失ってしまった悲しみと絶望から立ち直れなかったからです。自殺は地獄なのはわかっているとはいえ、こんな悲劇を体験したら、生きる力も失われてしまうでしょう。主人公の夫と同じく、「救ってあげたい」と思いながら見る人も多いのでは。この映画ほど、完全に死後の世界を描いた作品は珍しく、映像も芸術を見るよう。とても癒され、魂が浄化されるはずです。

『ラブリー・ボーン』

隣家の変質者に殺された少女が、天国の現世の間に立ち、現世の家族を見つめながら、父に「犯人を捜し出してほしい、捕まえてほしい」と願い、父と家族がそれに応える物語です。

この映画はあの世と現世を行き来するスピリチュアル映画ですが、主人公の少女は死んでいるので、天上から家族を見守りながら、犯人に関するヒントを家族に送り続けます。でも、なかなか気付いてもらえず、そのときの傷心やジレンマが見ていて辛かったです。

少女は天国と現世の間で、数人の女性たちに出会うのですが、彼女たちもヒロイン同様に成仏できない女性たち。そして同じ殺人犯に殺された被害者だったのです。「アイツを捕まえて罰してもらうまで呪ってやる!」みたいな気持ちだったのかなと思いました。

犯人を特定する証拠が出てきてからは、少女の家族が奮闘して犯人を追い詰めていくのですが、映画の結末は賛否両論でした。おそらく、死に対する日米の違いがはっきり現れたからかもしれません。日本は遺体をとても大切にします。魂はなくとも家族にとっては、ずっと見つめてきたその人だからです。でもアメリカ人にとって、魂のない遺体は抜け殻なのでしょう。少女の遺体が見つからないままで良しとするところに、違いを感じるのではないでしょうか。

『カフェ・ド・フロール』

二つの時代で起こる愛の三角関係を描いた作品で、テーマは輪廻です。1969年、ダウン症の息子を溺愛し、大切に育てていた母親は、息子が学校で知り合ったダウン症の少女と愛し合うようになり、とまどいます。

2011年、成功したDJの男性は愛する恋人がいましたが、別な女性に心変わりします。「あんなに愛し合ったのに」と元カノは絶望しますが、ある幻の少年の出現により、元カノは、他の女性を選んだ彼を許し、二人を祝福するのです。

これは時空を超えたスピリチュアルな恋愛映画で設定が素晴らしいです。生まれ変わりがテーマの映画はときどきありますが、たいてい、愛する人に会いに行くとか、彼は生まれ変わった恋人に気付くか……といった展開。しかし、本作は2つの時代の三角関係を描いており、それぞれ生まれ変わり前の記憶がないまま、いつの間にか同じ関係性を築いていたのです。そこには定められた運命があり、それに抗うことなく受け入れることで心の平穏が訪れる……。別世界で生きる同じ魂を見る機会はありませんから、実に特異なスピリチュアル映画です。


以上、スピリチュアル映画4作品を取り上げてみました。機会があったらぜひご覧になってはいかがでしょうか。見る人の精神状態やスピリチュアルへの傾倒度で感想は変わって来ると思いますが、霊感の強い人など「わかる」という場面があると思います。