No. 28
「この道を行けば大丈夫」。そう断言してくれる人がいて、それを信じられるなら、そして、その道を実際に進むことが難しくないなら100%信頼を置いても良いでしょう。人生がもし、そんな風に誰かに導かれるままに進めばいいものであるなら、それほど簡単な話はありませんね。
霊能力者が霊視で見る世界とは
霊能力者は霊視によって、さまざまなものを見通すことができます。そして、霊視の結果をもとに求める人の相談に応じます。でも、その人の人生すべてを完全に見通すことは霊能力者にもほかの誰にもできません。人生は、過去もこの瞬間もこの先も、自分とその周囲とのさまざまな結びつきによって綴られていく「可変的なもの」であり、完全な予測が不可能だからです。
では、霊能力者がしている霊視とは何で、いったい何の役に立つのでしょうか? たとえすべてを見通すことはできなくても、相談者の悩みのもとになっているものや、願い事を叶えるために必要なものなど、人生における部分的な要素を見通すことができ、それをいかすためのアドバイスをすることが、霊能力者にはできます。
本人の内から沸いてくるパワーが大切
時折「いわれたとおりにします。なんでも言ってください」と、すべてを任せる態度で臨まれる相談者の方がいらっしゃいます。相談の電話やメールを毎日のようにくださり、その日の行動の反省点や翌日以降の行動指針を求めてくる方もいらっしゃいます。こういう方は、すべてを霊能力者に任せておけばいい」とすっかり安心して、自分自身で考えることや努力することを忘れてしまいがちです。
確かに、霊視した結果のアドバイスに従っていただくことで、トラブルは解決の道筋がつき、願い事は叶う方向へと導かれます。ただ、そのアドバイスを実際に実行するのも、トラブルそのものに応対して解決するのも本人なのです。霊能力者がかわりに臨場して行えることではないのです。
霊能力者を活かす霊感占い
霊能力者は、相談者の心に寄り添って霊視を行い、アドバイスをすることができます。でも、その先はご本人次第です。これから起こるすべての事象、これからするすべての行動を霊視によって把握しようとすることは現実的ではありませんし、本来未知である未来に向けたあらゆる可能性に合わせた対応を取ることも不可能です。霊能力者にできるのは、努力し行動する相談者に寄り添ってその手助けをすること。
「霊能力者に相談をしたからもう大丈夫」「アドバイス通りにしていれば問題は起きない」「お祓いがすんだから終わり」。そんな風にすべてを霊能力者まかせにしてしまうのではなく、自分の人生を自分でよりよく綴っていく努力を忘れないでほしいと心から思っています。