No. 31
趣味として「ゲーム」や「映画」をあげる人は大勢います。そのゲームや映画、テレビドラマなどが、いくら現実に近い完成度であっても、所詮は作り物でありバーチャルリアリティの世界にすぎないのは誰もが承知していることですね。でも、リアリティではないから、そこに残虐さがあっても非情さがあっても大丈夫、登場する人や物に死が訪れても大丈夫、すべてリセットできるから大丈夫。本当にそうでしょうか?
バーチャルリアリティが魂に影響を与えるのかどうか
確かに、画面内の登場人物が死んだとしても、実際に人間の命が失われているわけではありません。残虐な言葉が飛び交い、非情な場面が繰り広げられても、それは現実ではありません。でも、ゲームも映画もドラマも現実そっくりによくできているからこそ、それらを見た者の心が受ける影響は計り知れないのです。
よく「綺麗なものを見聞きして感じることは魂に良い影響を与える」と言います。人が自然や芸術に心奪われるのは自然なことですね。そして、その逆もまた真なのです。荒れ果てた土地、穢された芸術に怒りや悲しみを覚えるように、残虐なシーンや恐怖心を煽るシチュエーションを目にして、また耳にしていれば、魂はその影響を受けてしまうのです。
日常生活の中から魂への影響に気を付けておくべき
私たちの人生には刺激的なものが溢れています。そして、あまりに多くの刺激に囲まれているせいで、徐々に鈍感になってきているようにも思われます。残酷な殺人のシーンに、最初は目を背けていたはずがいつのまにか慣れてしまう、死や殺といった言葉がタブーではなく身近になる…、そんな事実と現実には、少なからずゲームや映画、ドラマなどが影響を与えているのではないでしょうか。
特にスピリチュアルな視点では、心の中に秘めた「思念」と外側に表れる「言葉」と「行動」とは、同じ魂に宿ると考えられています。たとえ本物ではないバーチャルの世界の中であっても、「敵を倒すんだ」「みんな殺してやった」と残虐な思いを持つだけでも、誰も聞いていないとしてもそれを言葉として発することやゲームボタンを通してであっても行動に移すことならなおさら、あなたの魂はそれを現実として影響を受けます。
なにを受け入れるか取捨選択が必要になる
すべてのバーチャルリアリティが常に悪いわけではありません。あくまで程度やバランスの問題なのです。あなたの魂や心が、綺麗なものから得る良い影響よりも、バーチャルな世界から得る悪い影響を多く受け取る環境にあるならそれは問題といえます。一度、自分のゲーム歴、映画鑑賞歴を見直してみましょう。また、自分でコントロールするのが難しい幼い子どもの魂は、周囲の大人が守る必要があります。人気があるから、おもしろいから、みんなが観ているからと、残虐なゲームや恐怖心を煽るような映画やドラマばかりを見ないよう、それらに慣れてしまわないよう自分自身が十分に気をつけ、周囲にも注意を払ってあげたいものです。