ノーアスペクト【no aspect】

ノーアスペクトとは

生年月日をもとに生まれた瞬間の惑星の位置を割り出して、ホロコープという図を作成し、性格や未来を占うのが「西洋占星術」。太陽系の惑星が12星座のどのポジションにいるかを確認するほか、惑星同士がつくる角度(アスペクト)も重要な判断材料となります。多くの惑星が他の惑星と角度をつくりますが、アスペクトには影響が強いといわれるメジャーアスペクトと、それほど強くないといわれるマイナーアスペクトがあります。

メジャーアスペクトとは、惑星同士が60度(セクスタイル)や90度(スクエア)、120度(トライン)、180度(オポジション)といった角度を形成するパターンです。惑星同士がほぼ同じ場所に位置する0度(コンジャンクション)もメジャーアスペクトです。

一方、マイナーアスペクトとは、45度(セミ・スクエア)や72度(クインタイル)などを言います。それぞれのアスペクトに意味があります。そして他の惑星との間にメジャーアスペクトを形成しない状態をノーアスペクトと呼び、ノーアスペクトの惑星として解釈します。

アスペクトの有無で発生する違い

ある惑星が他の惑星とアスペクトを形成すると、本来の性質にまた別の性質が加わります。例えば、愛情を司る金星が木星と90度というハード(厳しい)な角度を形成すると、愛情表現や対象が悪い意味で拡大し、ルーズな恋愛関係や不特定多数との交際を暗示します。逆に木星と120度というソフト(やさしい)な角度を形成するなら、寛大な愛情を持つでしょう。

しかし、ノーアスペクトの惑星は他の惑星の影響を受けません。その分、惑星が位置するサイン(星座)やハウス(室)の影響をストレートに受けます。愛情を司る金星が蠍座にノーアスペクトで位置している場合だと、深い濃厚な愛を追求するでしょう。男性であれば蠍座の影響が強い女性に心惹かれます。しかし、その蠍座の金星に木星がハードな角度でからむと、深さだけでなく広がりも追い求め、多情多欲になるかもしれません。男性は蠍座の影響が強く、かついいかげんな面も持ち合わせた女性に目がいくでしょう。

ノーアスペクトの難しさ

惑星がノーアスペクトの状態にあるということは、独立・孤立しているということです。占星術では惑星の影響をその人が持つ力として解釈しますが、ノーアスペクトの惑星はその力を使いにくいと言われます。たとえば女性にとって恋人をあらわす火星や、夫をあらわす太陽がノーアスペクトだと、恋愛運の良し悪しではなく、男性自体と縁が生じにくくなります。職場などに男性が多くいても、人数のわりに親しくなる人が少なかったりするのです。逆にアスペクトが多い女性は、その種類により良い縁もあれば悪い縁もありますが、とにかく男性との接触が多いという状態です。

同じように、節度を意味する土星がノーアスペクトだと義務感に乏しかったり、感情を意味する月がノーアスペクトだと人の気持ちに疎かったりすることがあるようです。

また惑星が持つ力をコントロールしづらいという状態が、逆に惑星の暴走を招く場合もあります。本人の意志とは関係なく惑星が突っ走るので、火星の場合だと、次から次へとボーイフレンドをつくる女性になったり、やたら攻撃的になったりします。惑星の力がまったく働かないのも困りますが、これはこれで問題です。

惑星をどう手なずけるか

「0か100か」と極端な動きで持てあまし状態になるノーアスペクトの惑星。思うように動いてくれない惑星を使いこなすには、惑星が持つ意味を理解し、それを手に入れることを意識しましょう。火星であれば男性との縁や行動力です。なるべく男性が多い場所に積極的に出かける、考えるだけでなく動くことを忘れない、などを心がければいいのです。一度惑星に良いクセがつけばあとは意外とスムーズです。