ルーン-うらない【ルーン占い】
ルーン占いとは
ルーン占いとは、名称通りに「ルーン」と呼ばれる文字を使った占いのことを言います。ルーン文字とは、昔のゲルマン人が用いていた古い文字のことです。ルーン文字が用いられていた正確な時期は不明ですが、1世紀頃のヨーロッパ北部では使われていたという説もあります。ルーンという言葉の語源は、「秘密」を意味するゴート語の「runa」からきているとされ、かつては呪術にも使われる文字だったと言われています。その後、ラテン文字が発達したことによってルーン文字は使われなくなったのですが、ルーン文字に宿る魔術的、あるいはスピリチュアルな力に対して人々が敬意をはらい続けたことで、ルーン占いとして現在まで残っていると言われています。また、かつて占いや呪術は、実生活に欠かせないものであり、ルーン文字からなるルーン占いは昔の人々にとっては、遊びというより、人生や生活を大きく左右する現実的なものであったと考えられています。ルーン文字、ルーン占いの世界はヨーロッパ各地に広がっており、北欧系ルーン文字なども生まれています。
ルーン占いの基本形
ルーン占いは、ルーンを24個(24文字)を使い、それらの出た文字の意味で占います。道具は枝、あるいは文字を刻んだ石、カードなどを使用するのが一般的です。ルーン占いは、枝を投げて落ちたときの形から占う方法(キャスト)と、ルーン石を入れておく袋(ルーンバッグ)から占者が石を選び取り出して占う方法(スプレッド)があり、カードを使うときは、タロットのようにシャッフルして占う方法(スプレッド)もあります。それぞれの占い方法の詳細は、以下の通りになります。
ルーン・キャスト
- 自然の木から9本を手に取る(できればカバノキがナナカマドの木が良い)。
- キャスティングシートとして大きな白い布を用意する。
- 9本の枝を持ち、占いたいことを念じ、木をキャスティングシートの上に放り投げる。
- シートからはみ出した木は取り除き、シートの上にランダムに置かれた残りの枝がどのような形でシートの上に置かれているのか形を見て、ルーン文字に近い形を探し、文字の意味にあてはめて占う。
ルーン・スプレッド
- ルーンバッグにルーン文字を刻んだ石を入れて用意する。
(またはルーン文字が書かれたカードを用意する。) - 占いたいことを集中して念じ、ルーンバッグから石を手に取る。
(カードの場合はシャッフルしてカードを取る。) - 選んだ石、あるいはカードに書かれた文字から占うことができる。
ルーン文字の意味
ルーン・キャストもルーン・スプレッドも、文字の意味から占い結果を導くことができます。なお、ルーン文字はアルファベッドにあたる文字のことを「フサルク」と呼ばれます。ルーン文字の名称と占い結果へと導く意味は、以下の通りになります。
- フェフ
- 富裕、財産、投資、繁栄、幸運、収穫
- ウルツ
- 挑戦、試練、競争、開始、審判、逆境
- トゥリザーツ
- 分裂、妨害、不運、転倒、不愉快
- アンズーツ
- 話し言葉、コミュニケーション、神聖な口述伝承
- ライドゥホ
- 旅、リズム、活動、視野を広げる
- ケナーツ
- 熱い、情熱、エロティック、灯す、学び、知識
- ゲボ
- 交換、贈り物を与え受け取る、捧げもの
- ヴンヨ
- 純粋な至福、天上の喜び、充実感、グループ、共同体に関する事柄
- ハガラーツ
- 崩壊、遅れ、敵対、計画の失敗
- ナウドゥヒーツ
- 苦難、圧迫、束縛、必然、宿命、拘束、不安、知覚
- イザ
- 行き詰まり、危険、堅苦しい、罠、新生活、復活
- イェーラ
- 成長過程、成熟への道、収穫、実り豊かな季節、循環
- エイヴァーツ
- 生と死に関する事柄、境界、お墓、子宮、永遠、出入口
- ペルドゥロ
- 賭け、遊び、楽しみ、笑い、愉快、娯楽、文化的な営み、自己満足、もてなし
- エルハツ
- 守る、保護、防御、害悪から守られること、魔術や護符で身を守ること
- ソヴロ
- 神聖な宇宙のエネルギー、スピリチュアル、啓発、指導、案内、内なる光
- ティヴァーツ
- 闘志、闘い、やる気、勇気、献身的、忠誠を誓う
- ベルカーナ
- 誕生、新しい生活、始まりのとき、妊娠、生殖、再生産、古い物を排除
- エーヴァツ
- 可動、旅行、変化、ステージの変化、パートナーとの連携
- マナーツ
- 才能、人としての資質、クリエイティビティ、潜在能力、霊感
- ラグーツ
- 海や湖への海外旅行、自分自身の内面探究、自己洞察
- イングツ
- 性への意識、性別、生命エネルギー、生殖、受胎能力、性的能力
- ダガーツ
- 神からのメッセージ、太陽からの光、祝福、至高体験、再生
- オートゥハラ
- 土地、家、財産、帰郷、故郷、豊作、豊富
ルーン文字の種類
ルーン占いで主に使われるのは、ゲルマン共通ルーン文字です。実はこのルーン文字の中には、今の英語やドイツ語などの語源になっているものもあります。ルーン文字は他にも北欧ルーン文字と呼ばれる文字もあり、こちらはノルウェー、アイスランドなどで使われている文字の語源となっているケースも見られます。北欧ルーン文字には、長枝ルーンと短枝ルーンがあります。長枝ルーンはデンマーク形ルーンとも呼ばれ、ルーン文字の楷書体とも言われる文字です。一方で短枝ルーンはスウェーデン・ノルウェー形ルーンと呼ばれ、ルーン文字の行書体とも言われています。他にもヘルゲンルーン、アングロサクソンルーンといった種類もあって、様々な文字の系譜をさかのぼっていくと、実は今用いられている文字はルーン文字から派生したものだった、ということも見えてくるのです。